韓国政府の少子化対策の現状
韓国政府は少子化問題を解決するために、
過去15年間(2006年~2020年)、280兆ウォンに達する少子化対策予算を投入しました。
天文学的な財政投入にも関わらず、2022年基準の合計特殊出生率*は0.78で、
OECD平均(1.59)の半分の水準で、10年連続の最下位水準です。
仁川市もソウル、釜山に次ぐ下位3番目で、
2013年の約1.2から減少し続け、昨年は全国平均より低い0.75となり、
2023年度の合計特殊出生率は0.6まで下がると予想されています。
その間、政府が莫大な予算を投入したにも関わらず、
出生率の向上に全く影響を及ぼすことができず、
政策の実効性に疑問を持たざるを得ない状況です。
果敢で画期的な仁川型少子化対策、「1億+i dream」
仁川市は、国の災いともいえる水準の少子化の深刻さを認識し、
果敢で画期的な仁川型少子化対策である「1億+i dream」を設けました。
「1億+i dream」は、仁川で生まれた全ての子ども(i、アイ、韓国語で子ども)に1億ウォンを支援する政策です。
国家政策の死角地帯を補い、拡大することで、胎児から(満)18歳までの成長期全段階にわたり、
父母給与、児童手当などの7,250万ウォンに加え、
仁川子ども(i)夢手当など2,870万ウォンを追加で支給することで、
仁川で生まれた子どものいる全家庭に1億ウォンを支援、
個人別の状況や要件に合わせて最大3億4千万ウォンまで支援します。
これに伴い新設する事業、その1は「天使支援金(1040)」です。
初対面利用券(出生祝い)200万ウォンと、(満)1歳から(満)7歳まで毎月10万ウォン、
計1,040万ウォンを支援することで、乳幼児期の子育て負担を軽減します。
その2、「仁川子ども(i)夢手当」です。
現在、(満)0歳から(満)7歳まで月10万ウォンの児童手当を支給しています。
児童手当の終了する(満)8歳から(満)18歳まで、途切れなく支援すべく、
来年に(満)8歳を迎える2016年生まれの子どもから毎月5万ウォンを支給し、
段階的に拡大して2024年生まれの子どもからは、毎月15万ウォンを支給します。
その3、「妊婦交通費」を支給します。
交通弱者である妊婦の移動の便宜を図るため、
交通費50万ウォンを支給することで、
安定的に出産を迎えられるようにサポートします。
これらに加え、個人別の状況や環境等に応じて
不妊夫婦への支援、給食費、青年住居安定支援金と、安心の産後ケア費用など、
カスタマイズ型事業で最大3億4千万ウォンまで支援します。
韓国の少子化関連政策の大転換を要求
今すぐ、適切な対応で出生率を引き上げできなければ、
2025年には経済成長率が0%以下に墜落するとの展望が出されています。
現在の流れが続くと、経済活動人口、兵役資源、学齢人力などの不足により、
韓国の社会システムが崩壊する深刻な状況になります。
人口危機は、韓国社会の存立の根拠を根から壊す可能性のある、
国家存亡に関わる重大な問題であるにも関わらず、韓国社会の対応は安逸になっています。
今は、根本的な国家政策の大きな変化が必要な時です。
私は、韓国の少子化関連政策の転換を求めます。
その1、少子化関連政策の予算編成権と執行力を発揮できるように、
部所別に分散している機能を統合し、大統領室内に「人口政策主席」を置き、
総理室傘下に少子化を含む人口対策総括専門担当部所である(仮称)「人口政策所」の新設を提案します。
その2、散発的な「デパート型」補助金制度を、選択と集中に向けた根本的な構造改革を行い、
効果向上と体感指数の高い政策を推進できるよう、「統合出生支援金」体制への転換を提案します。
その3、少子化関連政策を持続的で円滑に推進できるよう、地方教育財政交付金の法定率一部を財源として確保し、
「出生交付金制度」および「少子化特別基金」を新設する必要があります。
移民者、在外韓国人など、大規模な人口流入に向けた国レベルの革新的な対策が必要
既に世界各国は人口消滅に備え、積極的な移民政策を推進しています。
仁川市は在外同胞庁の誘致と共に、松島アメリカタウン、グローバル韓国人文化タウンの造成など、
移民者のための定住環境を改善する事業を進め、外国人住民の安定的な定着を目指しています。
移民者と在外韓国人など、大規模な人口の流入には、地方自治体の役割だけでは限界があります。
これに備え、国レベルでの総合的な対策づくりを提案します。
仁川市が人口政策を先導してまいります。
仁川の先導的な少子化対策が、国の出産奨励政策に拡大・転換され、
国レベルでの少子化総合対策が設けられるように、政府に対して強く提案します。
仕事と家庭の両立のための労働環境改善、育児空白を解消するためのインフラ拡大、
雇用・住居問題、その他若者の結婚と出産、育児に対するネガティブな認識改善など、
需要者中心の体感政策を持続的に発掘してまいります。